エアブラシ塗装ことはじめ
島内で依頼を受けて3Dプリンタで作った模型に塗装が必要になったので、エアブラシに挑戦してみることにしました。
必要なもの
島内にはエアブラシなど売っているところはないので、例のごとく Amazon で調達します。
エアブラシ本体
エアブラシ(ハンドピース)
これが塗料の吹き出し口になります。チューブでコンプレッサーにつないで空気を供給することで塗料を吹き付けます。吹き出し口のサイズは0.2mm、0.3mm、0.5mmが主流らしいですが、まずは汎用性の高い0.3mmにしました。迷彩など細かい塗装は0.2mm、広い面の塗装や、サーフェイサーなど粒の大きい塗料を吹く場合は0.5mmが向いているそうです。選びかたはこちらの記事が参考になります。 www.1mokei.jp
コンプレッサー
空気を送り出す機械です。音がうるさいと言われていますが、実際使ってみたら意外と静かでした。連続使用時間が1時間の制限があるものの、本体はコンパクトだし、価格もリーズナブルで入門機には良い感じです。上記サイトでコンプレッサーの比較もされてます。 www.1mokei.jp
塗料
ラッカー系塗料
模型でよく使われる塗料の種類はラッカー(溶剤系アクリル塗料)、水性アクリル塗料、エナメル塗料、ウレタン塗料などがあるようですが、今回はエアブラシ向きのラッカー系塗料を用意しました。それぞれの塗料の特徴は大まかには下記のようです。ウレタンは仕上げのクリア塗装などに限定した用途が多いらしいので省いてます。
ラッカー 水性アクリル エナメル 塗膜 強い 弱い 非常に弱い 乾燥時間 早い 遅い 遅い 塗料の伸び 良い 悪い 非常に良い 塗り方 エアブラシが最適 筆塗り/エアブラシ 筆塗りが最適 うすめ液(ラッカー系塗料用) [asin:B001AZ8CDQ:detail] ラッカー系塗料専用のうすめ液です。塗料に混ぜてエアブラシに適切な濃度に調節します。
- 下地塗り用の塗料です。今回3Dプリントした模型は素材がPLAで、あまり塗料ノリが良くないと言われているので、レビューで食いつきが良いとの評価が高い製品を買ってみました。
周辺ツール
塗料皿
色を混ぜるのに使う皿です。スポイト [asin:B002DTHA7C:detail] うすめ液を取り出すのに使います。
クリーナー [asin:B002WMB7QU:detail] 使用後や色を変える際には、ハンドピースをキレイに掃除する必要があります。うすめ液と同じシンナー系の溶剤ですが、うすめ液より強力なので塗料を落としやすいです。
塗装ブース製作
エアブラシは塗料+溶剤が霧状になって飛び散るので、室内でやる場合はファンで集気してフィルタで清浄化する塗装ブースは必須です。既成品の室内用塗装ブースも色々ありますが、そこそこ値段がするので今回はダンボールでしょぼめ塗装ブースを自作してみました。
材料
PC用冷却ファン(12V DCファン)
前面から吸気して背面から排気する直進型のファンです。前面から吸気して上に排気するタイプのシロッコファンというのもあるようで、排気ダクトありの設計の場合は本体側にシロッコファンを配置して、排気ダクトを窓用換気扇に接続するパターンが多いようですが、シンプルに直進型のファンで直接排気するようにしました。PC用のファンは色々製品がありますが、回転数3500rpmと一般的なファンより高速な割にリーズナブルだったのでこれにしました。音はうるさいです(笑)ファン駆動用AC電源 [asin:B002TOK07S:detail] PC用ファンに必要な電源はDC12Vなので、換気扇と違って直接コンセントにさせないので、ドライブ用のAC電源を流用します。電源コネクタは同じなので改造なしで使用できます。
レンジフード用不織布フィルタ 100均で買いました。大きいので適当に切ってつかいます。
ハニカムフィルタ
不織布フィルタのみだとすぐに目が詰まってしまうらしいので、ハニカムフィルタと組み合わせてミストをキャッチします。見た目のまんまダンボールを積み重ねたフィルタなので、簡単につくれるだろうと思って自作したら案外面倒くさかったです...。自作する場合は厚めのダンボールを1.5cm幅に切りそろえたものを数十本用意して、積み重ねてボンドで接着します。
地道な作業です。次からは買おうと思いました。
組み立て
見たまんまなので詳細は省きますが、ダンボールを切り貼りしてこんな感じの箱を作ります。 背面にファンの羽に合わせた大きさの穴を開けて、ファンを取り付けます。今回は木ねじで背面からファンとダンボールをぶすっと貫通させて、前面から木ねじをグルーガンで固定しました。
フィルタの取り付け
前面の角にマジックテープを貼り付けて、不織布フィルタを固定しました。
最後にハニカムフィルタをつけてできあがりです。ハニカムフィルタ側にもマジックテープを貼りつけて、不織布フィルタに固定しました。
塗装してみる
調色
塗料皿で複数の塗料を混ぜて吹きたい色を作りますが、これが実は一番難しかったです。どう混ぜて良いかさっぱりだったので、混色ガイドというアプリでざっくり配合を見てから調節していくようにしましたが、なかなか思うような色になりません。ちゃんと目的の色を得るには、色々試して経験を積んでいく必要がありそうです。
塗料の希釈
塗料そのままだとエアブラシにとっては粘度が高過ぎるので、うすめ液でちょうど良い具合に希釈します。うすめすぎてもダメなのでこれもコツをつかむのに時間がかかりそうです。希釈した塗料はハンドピースのカップに投入します。慣れたらハンドピースのカップ内にうすめ液を投入して、そこに塗料を入れる方法もあるようです。
試し吹き
写真を撮ってなかったですが、3Dプリンタで失敗した造形物に色々吹き付けてみました。ムラなく塗るのはやはりコツが要りそうですが、距離や吹付けの強さによって色々な塗装ができるので面白いです。もう少し練習してから本番に挑もうと思います。
後片付け
ハンドピースのカップに残っている塗料を空きビンに移すなどしてから、塗料を拭き取り、クリーナーを投入してうがい(ハンドピースの吹き出し口を抑えて、カップに空気を逆流させること)をします。細かいところは綿棒にクリーナーをつけて掃除します。吹き出し口のニードルキャップにも塗料が溜まるので、取り外して綿棒で塗料を落とします。
感想
準備やら片付けやらは大変ですが、塗るのは楽しいです。しかし、希釈も掃除もシンナーを使用するので換気はとても重要です。窓開けたりして換気しながらの作業でしたが、それでも結構なシンナー臭で、長時間作業は体によくなさそうです。ちょっと値段がしますが、有機溶剤用のマスクを買っても良いかも...。