フルカラー3Dプリンタ「ダヴィンチ Color mini」を買ってみた
ここ隠岐諸島には、海岸の侵食による奇岩など自然の名所が豊富です。これらをどうにか3Dプリンタで模型としてお土産品にできないか試行していました。
これは以前 ZBrushCore でモデリングして3Dプリンタで出力したものですが、単色だとやはり情報量に乏しいですね。
かと言って業務用のフルカラー3Dプリンタは数千万するし、3Dプリントサービスを使っても1つ数千円は下らないのでお土産品の原価としては論外です。 手作業で塗装もできそうな気もしますが、やはり手間がかかると採算が厳しい上に面倒くさい(笑)ので、個人で購入できる廉価なフルカラー3Dプリンタの登場を待望んでいました。
ダヴィンチ Color mini 発売
先行で発売されていた「ダヴィンチ Color」はちょっと手を出しにくい価格(70万くらい)だったのでスルーしちゃいましたが、「ダヴィンチ Color mini」は20万円台(しかも10台限定で半額)ということで、日本発売予告と同時に颯爽と予約しましたが、無事今月頭に届きました!
予約販売は公式サイトのみでしたが、現在は Amazon で買えるようです。
ダヴィンチ Color mini
製品の紹介動画
Color Mini Main Video with CEO
ダヴィンチ Color mini でフルカラープリントするには、専用のフィラメントとインクカートリッジが必要です。
専用フィラメント
白っぽい半透明のフィラメントで、インクジェットの色が乗りやすい設計になっているそうです。
専用インクカートリッジ
まだカラープリントが普及もしていないので仕方ないですが、インクカートリッジがかなり高価です(約1万円)。 数cm角のオブジェクトのプリントでインク消費量5%程度だったので、1プリントのインク代は数百円くらいかかってそうです。 「ダヴィンチ Color」と違って各色のインクタンクは独立していないので、特定の色を多く消費していると他のインクが余ってちょっと勿体ない感じになりそうです。あと、カートリッジは CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の3色でブラックがないので、黒みに限界がありそうです。
セットアップ
設置はお手軽でしたが、フィラメントがエクストルーダーに詰まったりというトラブルは多少ありました。 マニュアルは全体的に分かりやすいですが、最初にやるべき手順が整理しきれてない感があるのでちょっと迷う部分もあります。
セットアップ手順
- フィーダーからエクストルーダーにガイドチューブの取り付け 特にフィーダー側はしっかり差し込んでおかないと外れたりします。
- フィラメントをセット
- フィラメントをロード
- プラットフォームの水平出し(全自動!)
- インクカートリッジのヘッドをアルコールティッシュなどで拭いてから本体にセット
- インクの校正(テスト用のオブジェクトが印刷されるので、X軸、Y軸の微調整を行う)
PCと接続(USBまたはWiFi)
フィラメントは筐体外側のフィーダーから押し出されてエクストルーダーに入るため、ガイドチューブの取り付けがゆるいと、フィラメントに押されてガイドチューブが外れ、ロードに失敗します(しました)。
エクストルーダーにフィラメントが詰まって出てこない場合は、プリンタに付属の細いワイヤーを差し込むと治る場合があります。
ソフトウェアはメーカー公式サイトにログインしてダウンロードできるXYZmakerSuite(に含まれる XYZprint)をインストールして使います。
プリントデータの作成
今回は ZBrushCore でモデリングと色付けしたモデルをプリントしました。
ZBrushCore oakcorp.net
ZBrushCore では色付きの OBJ を出力できなかったので、フリーソフトの MeshLab 経由で XYZprint に渡してプリントしました。
出力手順
プリントしてみる
XYZprint で読み込んだOBJデータをプリントします。 エクストルーダーの設定(デフォルトから Copper に変更する必要がありました)以外は、デフォルトのままですんなりプリントできました。
プリント結果
こんな感じになりました。 色がはみ出たりはほとんどなく、着色の精度は良好な感じです。
単色のバージョンと比較してみます。 単色と比べるとやはり情報量が全然ちがいますね。
実物写真と比較してみます。 フィラメント自体が半透明なのもありちょっとテカって見えます。今回は対象がマットな岩なので光沢があると不自然ですね。つや消しのクリアでなんとかなるだろうか。今回は ZBrushCore で手塗りしたので色塗りスキルの問題もありますが、狙った色や質感を出すにはちょっと試行錯誤が必要そうです。